藤純子の実父でもあり、プロデューサーの俊藤浩滋は、太平洋戦争時から、神戸市東灘区御影町にあった山丁五島組の盆へ通うようになり、親分・大野福次郎の知己を得て博徒たちと親交を深め、その後の東映の仁侠映画製作に大きく貢献することとなる。, 実録ヤクザ漫画においては、背景として描かれる場合がほとんどで、物語の主軸になることは稀である。それでも「世紀末博狼伝サガ」では、第2巻から4巻にかけて「手本引き大博打」と題した手本引きによる勝負の駆け引きが濃厚に描写されている。ただし、胴が勝負の初めに繰札をピンに戻していない点、紙下の扱い方などの作法面でおかしな描写が見られる。「アカギ」第36巻では、手本引きを簡潔かつ丁寧に解説している。ただし、目木の向きが逆になっていたり、紙下の扱い方などでおかしな描写が見られる。, 丁半 - チョボイチ -チンチロリン - 賽本引 - タブ - クラップス - 大小, https://ja.wikipedia.org/w/index.php?title=手本引&oldid=81195990, 胴は、繰札の中から任意の1枚を選び、それを一番上にして6枚すべての繰札を紙下に挟んで場に出す。, 胴は胴前として用意した札束を自分の前に置き、目木を自分から見て、左から右へ123456の順に横一列に並べ替える。「初綱(しょな)/天(てん)」と呼ばれる一手目は、張子には推理要素が乏しいため、慣習として賭けられないとすることが多く、その場合には合力から「お手は止めといておくれやす!」と言われる。この初綱においては目木は動かさない。, 開始時に、胴から観て上段には右から1,2,3、下段には右から4,5,6と目木を裏返して置き、胴が出目を引くごとに対応する目木を1枚ずつ表返して、胴の前に左から順に並べていく古式なやり方もある。この方式においては初綱から張ることが可能で、さらに玄人の博奕打ちが胴を務める際には、初綱では3を引かないことが不文律となっている。これは「天三(てんざん)」と呼ばれ、, 合力は絶えず胴前の総額を把握しておかなければならず、迅速に配当が付けられるように胴前の紙幣を5枚ずつズラして重ね、自分たちの前に置き直す。, 胴は、1から6の6枚の繰札の中から、任意の1枚を張子に見られないように隠して選ぶ。これは「屋根/片方(かたえ)/被り」と呼ばれる羽織や浴衣やオーバーなどを半肩にかけ、その胸元で片手で選ぶ「前引き/懐引き」、もしくは、片手を背中に回して選ぶ「後ろ引き/背中引き」のどちらかの方法で、選んだ札を一番上にして、すべての繰札を紙下に挟んで隠し、自分の膝前の盆茣蓙に置く。繰札の選択から紙下に入れるまでの動作を「釣り」と言い、この間、胴自身が繰札を見ることも禁じられている。, 胴の毎回の選択には制限がなく、1ばかりを何回続けても良いし、1-2-1-2-1-2のように繰り返しても構わないが、連続性や規則性を持たせると張子に読まれる危険性が増しかねない。だが、わざと読ませ、さらにその裏を突く、というような心理戦もあるので一概にダメというわけでもない。ただし、出目を無作為に選ぶことは禁じられており、繰札を公開する前に目木を先に移動させるのは、胴が引いた目を自覚していることを証明するためである。, 胴は、初綱に入る前に「綱」と呼ばれる繰札の並び順を確認しておく必要がある。これを「綱改め」と言い、繰札を広げられた紙下にスライドさせて曝し、123456の順に正しく並んでいることを確かめた上で、選択動作に入るのが正式な所作とされる。, 札の繰り方にも決まりがあって、繰札の山の中から選んだ目も含めて、下にある札をまとめて山の上に持ってこなければならない。つまり、シャッフルをするような繰り方は認められておらず、繰札の山の並び順を崩してはいけない。例えば、4の目を引く場合には、繰札の山の並びが上から456123でなければならない。この並び順が崩れていると「綱もつれ/綱切れ」と呼ばれる法度により、張られた賭け金と同額をそれぞれの張子に対して支払う「総付け」が科せられる。, 繰札を繰って選んだ目を一番上にしたら、繰札を山ごと裏返して紙下の中央に挿し込み、これを逆の手で上から包んで折り込む。盆茣蓙に置く時にひっくり返せば、紙下を開いた際に繰札の山は表向きになっている。, 盆によっては、繰札の一には縦線、四には横線を予め彫刻刀で削っておくことで、どの数字を選んでいるかを触覚で判るようにしているところもある。, 胴の視線や表情の変化、筋や筋肉の動き、呼吸や身体の揺れ具合といった行動パターン、札を繰る時間や音にまで、張子たちの神経が一斉に集中するため、この間に席を立ったり、物音を立てたり、私語は一切禁止である。盆が最も緊迫する瞬間だけに入退室も避けられる。, 胴が繰札の入った紙下を盆茣蓙に置いたら、合力は「入りました。張って下さい」と張子を促す。張子は出目を推理して、各自に配られている張札の中から、これだと思う札を自分の前に裏向きで賭け金を添えて置く。原則として張札は1枚から4枚までを張ることができるが、張札や賭け金の配置で配当倍率が異なる。基本的には本命1点と保険に何点か張るといった感覚である。下記[張り方一覧]参照。, 張子が張札を見ながら考え、1枚ずつ裏向きで置いていく張り方を「見下ろし」と言い、この方法が一般的である。配当の高い順に張札を配置していくのが美しい作法とされる。張札をシャッフルして全く見ないで張ることを「盲我(もが):元来「命知らず」という意味」、1枚だけ抜き、残りをシャッフルして順に張ることを「1枚切り」、2枚抜くことを「2枚切り」、3枚抜くことは「3枚好き」と呼ばれ、抜いた張札のことを「見切り」、山の上から順番に張って、手許に残った張札のことを「突き上がり」と呼んでいる。ただし、この張札をシャッフルするのは運任せだけに不調法とされる。「3枚好き」で1・2・6の札を張ることを「薄(うす)」、3・4・5の札を張ることを「厚(あつ)」と言ったりもする。, 賭けずに様子を見たい時は、「見(けん)さしてもらいます」と合力に断っておけば、礼儀を欠くこともない。, 「通り/通り一丁/御通り」や「半丁」と呼ばれる補助札が用意されている盆もあって、他の張子の賭け方に便乗することができる。半丁札は相手の賭け金の半額だけを張る場合に用いられる。これらは「雛形(ひながた)」と呼ばれる張り方で、「通り、行かしてもらいます」と申告すれば、合力がどの張子に乗るかを確認した上で、その相手に通り札を渡してくれる。親しい間柄であれば「○○さんに通り!」と宣言することもある。, 盆ごとに賭け金の最低額が設定されており、これを「裾(すそ)」と言う。裾で賭けることを「小張り(こばり)/小者張り(こしゃばり)」、百万円を帯(おび)で賭けるような大きな博奕を「大張り(おおばり)/大義理(おおぎり)」、ほどほどの金額での, 実際には、4点張りで勝負する張子がほとんどで、これは賭け金が高額なこと、長時間楽しむため、そして、1点張りや2点張りは、胴の面子(めんつ)を踏みにじり、喧嘩を売るような張り方だと考えられているためである。どうしても1点張りや2点張りで勝負したい場合には、張札を2面、3面用いることで、形式的には3点張りや4点張りに見せかけつつ、高配当を狙う張り方がある。そのようにすれば、ひとりの張子に通り半丁が集中することを抑制でき、胴前が瞬時に飛んで盆が荒れることを防止することができる。, 合力が張子全員が賭け終えたことを確認した上で「勝負!」と掛け声を発する。胴はまず自分が選んだ数字の目木を取って右端へと移動させる。前回と同じ目を引いている場合には、目木に触れずに紙下をめくることで了解される。, 合力の「勝負」の声が掛かってから紙下がめくられるまでの間、張子たちは盆茣蓙に置いた張札や賭け金に触れることは, 胴が何の目を引くかというより、目木の何番目を引いたかが駆け引きの焦点となるため、それぞれの目木の位置に対して独特な名称がついている。同じ目は「根(ね)/根っ子/面(つら)」、右から2番目を「小戻(こもどり、こもど)/戻り」、3番目を「三番/三間(さんけん、さんげん)/三法(さんぽう)」、4番目を「四間(しけん)」、5番目を「古付(ふるつき、ふるづき)/後家(ごけ)/五刃(ごどす)」、6番目は「大戻(おおもどり)/大廻/捲り/穴(けつ)/刃(どす)」などと呼ばれている。, 目木の1・2番目を「口(くち)」、3番・4番目を「中綱(なかな)」、5・6番目を「奥(おく)」と呼んだり、目木の1・2・3番目を「先(さき)」、4・5・6番目を「後(あと)」と呼んで、張り方の目安にされる。, 胴は目木を移動した後、続いて紙下をめくって繰札を見せる。この一連の胴の動作を「唄う」と言う。合力は胴が動かした目木と紙下の繰札の目が完全に合致していることを確認して、例えば、目木が1、繰札も1の場合には、「中(なか)もピン! ピンのない方は札をあげておくんなはれ」というように進行する。, 目木と繰札の目が異なる場合、これを「唄い違い/唄い損ない/祭(まつり):「後の祭り」という意味」と言い、両方の目が当たりとなって、張子の張るどちらか配当の高い目に対して支払いが生じる。この場合の繰札と合致する張札を「本家」、目木と合致する張札を「嘘」と呼ぶ。ただし「嘘」で受かる場合には「半付け」と言って半額だけが配当される。ハズレても賭け金は戻される。, 張子は当たりがあれば、その張札だけを表返す。開かずに張札をすべて引っ込めれば、その子方はハズレと了解される。どこに何を張ったか, 当たることを「受ける/開く(あく)/起きる/踊る」、ハズレることを「抜ける/滑る/すかれ」と言う。受けたかどうかは、手許に残した張札を見ることで一目瞭然である。, 張子が張札を開ける際、手の中に隠していた札と瞬時に置き換えるイカサマを「吹っ替え/吹き返し/打替え/釣り込み」と呼ぶ。このイカサマと誤解されないためにも、張らずに手許に残った張札は盆茣蓙の外に一旦置いて、張った札の上側が盆茣蓙から離れないように下側を軽く上げて確認して、当たりの札を開くのが作法とされる。, 合力はハズレた張子の賭け金を没収して胴前に加える。当たった張札を開けている張子に対しては配当金を胴前から支払い、その3〜5%を, 実際には、合力がハズれた賭け金を没収したら、配当付けは後回しにして、胴に次の勝負に入らせる場合がほとんどである。こうすることで、抜けた張子を待たせる時間が短縮でき、スムーズに進行できるメリットがある。配当付けは胴が紙下を場に置いてから行われる。, 配当金は、必ず盆茣蓙の外に移動させるのがマナーである。そのまま残しておくと次の勝負の賭け金と誤解されかねない。, 清算が終わると、合力は「さァ行こう」「次、入って」などと胴を促し、次の勝負に移行する。, 胴は毎回、繰札の山の一番上を1に戻してから、それを張子に提示してから、次の勝負の選択動作に入るのが正式な所作とされる。この際に合力は「ピンから入ります」と言葉を添えることもある。, 胴が交代することを「胴を洗う」と表現する。胴は勝っても負けても「これにて胴を洗わして頂きやす。悪うおました」と挨拶するのが礼儀である。, 胴が勝って胴を洗うことを、胴が「立つ/生きる/浮く」などと言い、この場合、まず「浮き胴」と呼ばれる勝ち金の総額10%を合力への報酬として支払う。そして、合力代を差し引いた残額の20%を寺銭として収める。この寺銭のことを「生き寺」、寺銭を差し引いた胴の純利益を「立ち/おどみ銭」と言う。勝ち金の5%を合力へ、25%を寺銭にする盆もある。, 勝って胴を洗う場合には、「ツノは負けといておくんなはれ」と合力に言うことで、最後の勝負で角で受けた張子の支払を免除してくれる胴もいる。, 胴が負けてすべての胴前がなくなると、胴が「潰れる/腐る/割れる/溶ける」と言って、胴を洗わなければならない。だが、最初に「半チョイ」もしくは「テンチョイ」と宣言しておけば、胴前の半分、あるいは胴前の同額まで、貸元に借金をすることで支払い限度額が増える。それでも支払い切れなければ比例配分され、このことを「分散」と言う。胴が潰れた場合には、当然「生き寺」は発生しない。同じ胴が新たな胴前を提示して続投することを「焚き付け」と言ったりする。, ヤクザなどの盆で胴元が決まっている場合は、数人の胴が用意されているので、交代して新たな勝負が始まる。本職の胴でもかなりの体力と神経を消耗するため、一人の胴が連続して行う勝負は通常2時間とされ、これを「一本」と呼んでいる。, 一般の旦那衆の集まりでは「廻り胴」と言って、順番に持ち廻りで胴を担当することが多い。この場合の合力は、胴が勝てばご祝儀をもらうが、負けた時は何も入らない。この合力も持ち廻りで行うことが多い。胴の勝ち逃げを防止するため、最後の三番勝負を宣言しなければならない、としたり、元金の1.5倍以上にならなければ、胴を洗うことができない規制を設けることがある。, 胴前を客側が出資するシステムもあり、胴が勝てば出資した客も配当を得る。このことを「乗り胴/側乗り/乗り」と言ったりする。もちろん、胴が負けて破産すれば出資金は戻らない。乗り胴付きの胴のことを「打ち合せ胴」、付かないことを「ポン抜き」と呼ぶ。盆には、胴前額を記録して寺銭を計算したり、乗り胴額を記録して配当金を計算する「帳付(ちょうつけ)/帳面(ちょうめん)」と呼ばれる幇助役がいる。帳付がいなければ、合力がこれを兼任する。帳付は新たな勝負が始まる前に、「御一統さん(皆様という意味)、ノリは?」と張子に伺って、胴前を出資するかどうかを確認する必要がある。, とばくの栞(三木今二/著、大阪府警察官吏遺家族救護会印刷部、1937年)《手本引きの部分は「捜査の栞」と同一のもの》, 実証・日本のやくざ 正統派博徒集団の実像と虚像(井出英雅/著、立風書房、1972年), ヤクザ大辞典 VOL.2(週刊大衆特別編集/著,山平重樹/監修、双葉社、1993年), これが超法規ギャンブルだ!(非合法遊技総合研究会/編、ハローケイエンターテインメント、1994年), 花札必勝 これでOK! 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