北欧の国(デンマークやスウェーデン)というと高福祉という言葉が思い浮かびますが、デンマークは、2006年英国にレスター大学が調査した「国民の幸福度ランキング」で1位(2位はスイス、3位はオーストリア)となっています。, 高福祉だから国民は幸せなのか?が以前から気になっていたので、高福祉の内容が詳しく述べられている「消費税25%で世界一幸せな国デンマークの暮らし」という書籍を店頭で見かけて購入しました。, 医療費は無料であるが、税金の無駄遣いを防ぐため「家庭医」と呼ばれる主治医を、国民一人一人に割り当てる制度があります。この制度により、病気になった場合に国民は自分の判断で大病院に行くことはできず、家庭医が必要と判断した場合に病院で診療を受けるようになっているとのことです。, 本当に必要な診療は受けられなければなりませんが、冬の寒い時期でも朝早くに病院の前に列をなしているお年寄りの姿を見かけましたが、そこに並べるくらいなら病院に通わなくてもいいのではないかとも思ってしまいます。日本でも、家庭医のような制度があれば、今後さらに深刻化するであろう医療費の抑制に有用化かもしれないと思います。, 義務教育(小中学校)はもとより、高校から大学まで授業料はかかりません。ここまでは、想像の範囲でしたが、小学校から職業教育が開始され、早い段階から自分が何に興味を持っており、将来どのような職業についたらいいのかを考えていくのだそうです。, さらに、高校以上になると学校は「資格」を取得する場になり、それが就職に直結していくとのこと。デンマークではすべての職業について資格が必要で、会社員になるためにも資格が必要です。よって、就職するにも転職するにも、適応する学校(大学や職業学校)に通って資格を取らなければならないとのこと。, 日本では、大卒の就職率内定率の低さが問題とされていますが、経済情勢が良くないという理由はあるでしょうが、大学の教育と企業の欲しがる人材との間にミスマッチが生じているというのが一番の理由ではないかと思います。 テレビのコメンテーターなどでも活躍している社会学者、古市憲寿。彼は、大学時代にノルウェーに留学して以来、近年はフィンランドの社会学者、トゥーッカ・トイボネンとフィンランドに関する書籍『国家がよみがえるとき』を編纂するなど、北欧通としても知られる存在だ。 このこと自体は他の国でも行われており、”消えた年金”とか言われている日本の状況をみていると、そんなことになるなら個人背番号制でも導入したほうがいいのではないかと思えます。, すごいなと思ったのは、デンマークでは、銀行は毎年年末になるとすべての口座所有者の預金残高を税務署に通知する義務がある ということです。また、個人が所有する株や公債などの債権所有額も税務署に報告しなければなりません。, 日本の財政状態を考えると、個人の金融資産を国が没収するための情報を与えるような気がして気が引けますが、残高に比して異常な入出金が存在する場合は取引記録を報告することを義務付けるというようなことをすれば、問題なっている振り込め詐欺等の抑制にはなるかもしれません。, ここからは、世界一幸福という国にしては意外な側面です。まず、離婚率ですが、デンマークの離婚率は非常に高く2009年に結婚した人に対する離婚した人の割合は約45%とのことです。, デンマークでは働く女性の割合が大きく(16歳~64歳の女性の76%が働いている)、子供の教育費や医療費も無料であるため育児や家事に協力しない夫と離婚するケースが多いようです。 世界一幸せな国 というイメージからは想像できない事実の一つではないかと思います。, デンマークでの自殺者は年間で約650人で、絶対数でみるとそれほど多くはないように見えますが人口が約540万人であることを考えると決して低い水準ではありません。 日本ではまだまだ多額の入居一時金が必要となる老人ホームが少なくありません。 スウェーデンの老人ホームに入居する前には、 入居一時金の支払いについて悩む必要はありません。 また、入居一時金だけではなく介護に伴う費用を入居者が負担する必要はほとんどありません。 費用負担が必要な場合であっても、入居者が老人ホームの入居や介護に必要な費用の支払いが困難な場合、政府からの補助金を受給することができます。 また、スウェーデンの福祉・老人ホームの魅力はそれだけではありません … 日本の福祉は中負担・中福祉、自助の精神が非常に弱い 日本は、北欧型かアメリカ型、一体どちらの国を目指すべきなのでしょうか。この点をはっきりさせておく必要があるでしょう。福祉には、自助・共助・公助という三原則があります。 fjs.parentNode.insertBefore(js, fjs); 一九九七夏、福祉先進国として他の国々の模範であったスウェーデンで、三〇年代以降、七〇年代にいたるまで、優生学を背景としたた強制的な不妊手術が実施されていたという事実が、スキャンダルとして世界を駆けめぐった。 北欧福祉国家とジェンダー平等 ― デンマークにおけるジェンダー平等の経過と到達点 ― 大 塚 陽 子 はじめに Ⅰ.パートナーシップとジェンダー平等 -婚姻法と税制 1.デンマークにおける1920年代の婚姻法改正 2.デンマークにおける1970年の税制改革 国連開発計画(undp)が毎年発表する国民の豊かさを示す「人間開発指数(hdi)」の今年のランキングが明らかになった。結果は、北欧のノルウェーが12年連続でトップで、日本は20位だった。この順位は国民の平均寿命、教育、所得・生活水準などから算出されるものだ。 一方福祉制度を学ぶ中で、福祉が家族を、男性稼ぎ主モデルであり、ケアの主な担い手であ ると考えていることも分かった。福祉がこれらの 2 つの特徴を前提として家族を重視して いることで、家族のもつ問題はより深刻になっていると感じた。 宿題で日本とスウェーデンの社会福祉を比較した作文を書こうと思っています。スウェーデンの社会福祉についていろいろと調べたのですが、言葉が難しくてよくわかりませんでした。スウェーデンの福祉政策のよい点、問題点があれば教えてい とはいえ、北欧も昔からずっと福祉が充実していたわけではなく、以前は日本と同じ問題を抱えていたそうです。 しかし国民と医療者の努力により、今の制度が作り上げられてきたことは、日本の僕たちにとっても関心のあるところです。 var js, fjs = d.getElementsByTagName(s)[0]; 現に、10万人当たりの人口比で比較するとEU27カ国中でも中位の15位だそうです。ちなみに2006年の男女別の自殺者数は男性472人に対して、女性は178人でした。男性の自殺者の多くは離婚や妻の高いが原因だと分析されているそうです。, 病気や経済的な理由など、他国では上位に挙がる理由以外で命を絶つ人が多い点に特徴があります。自殺者の割合がそれなりに高いけど、世界一幸福というのは若干違和感を覚えます。, 東日本大震災で被災された方の状況をみていると、普通に暮らしていることがどれだけ幸せであるかを再認識しますが、日本人が日本で生活していて幸せと言える国にしていきたいものです。. 最後は北欧型福祉国家である。 ・北欧型福祉国家は、フィンランド、ス ウェーデン、ノルウェー、デンマーク、ア イスランドの北欧5ヵ国である。 ・国が国民の福祉のために大きな責任を持ち、 その点が前2者と異なる。社会政策によっ 福祉国家とは、「医療保険、社会福祉サービス、貧困層への補助などの社会保障制度の拡充を重視し、実現している国家」のことを指します。 北欧が福祉国家として注目をされているのは、やはり世界的に見ても社会保障制度が充実しているからでしょう。 北欧の国(デンマークやスウェーデン)というと高福祉という言葉が思い浮かびますが、デンマークは、2006年英国にレスター大学が調査した「国民の幸福度ランキング」で1位(2位はスイス、3位はオーストリア)となっています。 Amazonで武田 龍夫の福祉国家の闘い―スウェーデンからの教訓 (中公新書)。アマゾンならポイント還元本が多数。武田 龍夫作品ほか、お急ぎ便対象商品は当日お届けも可能。また福祉国家の闘い―スウェーデンからの教訓 (中公新書)もアマゾン配送商品なら通常配送無料。 }(document, 'script', 'facebook-jssdk')); Copyright © 出る杭はもっと出ろ! All rights reserved. js = d.createElement(s); js.id = id; (function(d, s, id) { js.src = "//connect.facebook.net/ja_JP/sdk.js#xfbml=1&version=v2.6"; 日本の教育、特に大学教育を見直す必要があると感じます。, 2007年の 主要先進国のデータによると、デンマークの国民負担率は71.7%でトップだそうです。日本円換算で約640万円の年収があるサラリーマンの場合、税金等で約230万円が控除され、割合でみると36%程度となるそうです。概ね給料の1/3が控除される計算になります。, 一方、消費税率(付加価値税率)は25%であり、スウェーデン、ノルウェー、ハンガリーと同率です。高税率で食費も大変だなと思いましたが、消費税率25%でも食材は日本よりも安いということです。日本でも消費税率アップの議論がありますが、食費については消費税を0にするというような選択肢があってもよいのではないかと思います。, 高負担を担保するためには税金が適切に納められなければなりません。デンマークでは、公平に税を徴収するために一人一人に個人登録番号が与えられているとのことです。 フィンランドにおける高齢者ケア政策と高齢者住宅 — 41 や日本に比べても低い。しかし、これから急速に 高齢化が進み、2 04 年には27%になることが予測 されている(表1)。 「森と湖の国」と言われるように、水と緑の豊か 以上の問題点を克服すべく、1956年、戦後、最初に整備されたのが国民年金保険制度である。現 行の新しい国民年金保険制度は、皆年金であり、所得に基づく年金ではなく定額年金と裁量による 上乗せ年金制度が採用されている。 テレビのコメンテーターなどでも活躍している社会学者、古市憲寿。彼は、大学時代にノルウェーに留学して以来、近年はフィンランドの社会学者、トゥーッカ・トイボネンとフィンランドに関する書籍『国家がよみがえるとき』を編纂するなど、北欧通としても知られる存在だ。代表作『絶望の国の幸福な若者たち』をはじめ、現代を生きる日本の若者たちの生態にも詳しい彼は、ノルウェー留学時代に、そして現地取材で訪れたフィンランドで、何を見て、どんなことを感じてきたのだろうか。今後、ますます高齢化社会となっていく日本の状況も踏まえながら、その知見を語ってもらった。, 古市:そうですね。友だちも多いので、いまも年に1回ぐらいは行っています。留学で初めて行くまでは、ノルウェーといわれても、福祉国家であるとか、サーモンが有名とか、それくらいの漠としたイメージしかありませんでした。実際にノルウェーのオスロで1年間暮らしてみると、日本より若い世代が多いにもかかわらず、成熟していて、あんまりガツガツしていない社会だという印象を受けました。, たとえば、土日は家のそばにある湖を散歩するとか、夏は別荘でゆっくり過ごすとか。僕の住んでいた大学寮のすぐとなりには、大きな池があって、その池のまわりをよく散歩していました。東京に住んでいたら、そんな生活環境は、あまりないじゃないですか。, 古市:オスロはノルウェーでもいちばん大きい街だったんですけど、それでも人口が60万人ぐらい。スーパーで売っているものの種類もそんなに多くないし、映画館などのエンターテイメント施設がたくさんあるわけでもない。だから、消費っていう意味では、すごく選択肢の限られた街なのですが、その一方で労働時間は短いし、身近に自然もある。本当に大都会へ行きたければ、ロンドンやパリへは飛行機で数時間。暮らしやすい街だなあと思いました。, 古市:何となく留学したいなとは思っていたんですけど、たとえばアメリカの大学に行った場合、卒業後は大手企業に入って、どんどん年収をアップさせていく……もう無限にキャリアアップしていかなきゃいけない感じがしたんですよね。そういう資本主義のレールに乗っかるのなら絶対アメリカがいいんですけど、それはそれですごく大変だなと思ってしまって。, で、そういうものから初めから降りて、ほかの選択肢は何かと考えたときに、北欧が選択肢に挙がってきたんです。アメリカの大学は授業のリーディングリスト(大学から読むべき本のリストとして与えられるもの)が多くて、学生が頑張らないといけないことが多いと思うんですけど、ノルウェーは違いました。授業が週に3コマだったり、読書量もそんな多くなかったりと、学生に求める条件が、そんなに多くないんです。そのぶん、友だちとカードゲームをやったり、ホームパーティーをしたり、ヨーロッパ旅行をして回ったり……ほとんど余暇、というか老後みたいな1年間を過ごしていました。, 古市:うーん、そういうのがつまらないと言って海外に出る人も多いみたいですね。ただ、ぼくが行った2005年当時は、もう普通にインターネットが普及していたので、ノルウェーの友だちは日本のアニメとかを見て楽しんでいましたね。あとは、ホームパーティーが、とにかく多い。大学の寮に住んでいたのもありますけど、どこかのフラットに集まって、料理をみんなでつくってホームパーティーをするみたいなことはつねにやっていて。僕もよく参加していました。, ノルウェーは北欧のなかでも物価が高いので、特に学生だと、外食文化があまりないんです。バーに行くときも、家でビールとかを飲んで、酔っぱらってから行くみたいな感じでした。ホームパーティーとか、友だちの家に集まって遊ぶという生活は、それはそれで、すごい楽しかったです。, 古市:そうですね。ノルウェーはノーマライゼーションというか、障害者に対する考えが日本とは全然違うなと思いました。日本は全駅にエレベーターをつけることで、バリアフリーを達成しましたよね。でも留学当時のノルウェーでは、駅にエレベーターがなかったり、ステップのある路面電車も普通に走っていました。おそらく車椅子の不便さを、インフラではなく、誰かの手助けを前提に解決しているんですよね。ベビーカーを押している人も街中にたくさんいるけど、段差があったら、近くにいる人がサポートするのが当たり前なんです。良くも悪くも、障害を持った人を特別扱いしない意識が北欧にはあると思います。, —先ほどの「ガツガツしてない」の話じゃないですけど、人々の心に、どこか余裕みたいなものがあるのでしょうか?, 古市:もしかしたら、必死に貯金をする必要がないっていうのは大きいかもしれないですね。高福祉国家と言われているだけに、病気になっても医療費の心配はないし、老後も国がなんとかしてくれる。個人が将来のために貯金をする必要がほとんどないんです。だから、自分で稼いだお金は、将来のことを考えずにとりあえず使ったり、投資しちゃおうと気楽に考えることができるんだと思います。それが彼らの心の安定につながっているのかもしれません。, 古市:もちろん、北欧のなかでも国によって、ちょっと状況が違います。フィンランドは、1991年にソ連が崩壊したとき、経済がかなり厳しい状態になって……最近ではフィンランド経済を支えてきた携帯会社ノキアが経営不振に陥るなど、国を揺るがすぐらい経済がガクッと落ち込んだりもしました。, でも、ノルウェーの場合は、産油国で、財源にも余裕があるので、国家として当面のあいだは未来を心配する必要がない。もちろん、不動産を所有しているかどうかなど、個人間での格差はありますが、日本との大きな違いは、国を信頼できるかどうかだと思います。, あと、ノルウェーでは、全国民の所得が閲覧可能なんですよね。ちょっと前までは、インターネット上で誰かの名前を入力すると、その人の去年の所得と納税額が、全部出てきました。同僚の給料も、となりの家の人の給料も、結婚相手の給料も見えてしまうんです。, 古市:そう、とにかく全部オープンにするっていう。最近はようやく、閲覧人数に制限をつけるなど、考え方も若干変わってきたようですが。それでも日本に比べると、はるかにオープンな社会だと思います。個人の住所や電話番号も簡単に検索できますし。現地の人に言わせると、「何で隠すの?」みたいな感覚らしいですね。, 1985年東京都生まれ。社会学者。慶應義塾大学SFC研究所上席所員。若者の生態を的確に描出した著書『絶望の国の幸福な若者たち』(講談社)で注目を集め、テレビ番組のコメンテーターなどでも活躍中。ほかにも、トゥーッカ・トイボネン氏との共著『国家がよみがえるとき持たざる国であるフィンランドが何度も再生できた理由』(マガジンハウス)など。また、大学在学中にノルウェーに留学経験がある。, 「Fika」はCINRA.NETとVOLVOが送る、北欧カルチャーマガジンです。北欧デザインの思想の基盤を「クラフトマンシップ×最先端技術」と捉え、そこに学びながら、これからのカルチャーやライフスタイルにまつわるコンテンツをお届けします。, Copyright CINRA, Inc. All Rights Reserved. if (d.getElementById(id)) return; 1 第 4章 「福祉レジーム」から社会保障・福祉国家を考える 第4章「 福祉レジーム」から社会保障・福祉国家 を考える これまでの章では、福祉国家の成立やその発展過程等をみてきた。 福祉国家、特に北欧型の福祉国家の社会保障制度は参考にすべき点が多いように思う。一時期は北欧型の福祉制度が礼賛されたこともある。 しかしながら、手厚い生活保障がなされる福祉国家を成り立たせるためには、国民の「均質化」と強力な国家管理体制があるという面も忘れてはならない。