徳川家光が参勤交代の制度を作ったとき、自身も江戸城に出入りする際、三崎稲荷神社に参拝し、諸大名にも参拝を促したという言い伝えがあります。それ以後、諸大名が江戸城入りするときは必ず参拝し、お清めすることが慣例になっていたことから、「清めの稲荷」と呼ばれた時代もあったそう。時を越え、大隈重信などが海外へ行く前は、旅の安全を祈願するために参拝したことから、旅行の安全にご利益があるとも言われ、現在に至ります。「三代将軍が交通安全の祈願をしたから、このお宮は交通安全の神様となる。ご利益は風潮によって決まるものです。」と宮司の山崎さん。いつの世も、困ったときや心配事は神頼みをするのが人間という生き物なのかもしれませんね。

宮司の山ア 寛さん。昭和58年から約15年間、神田明神に勤めていたとか。三崎稲荷神社の氏子青年会は今年で結成27周年。約100名の会員が在籍しています。

JR水道橋駅東口より徒歩で約2分という好立地にある神社。1年おきに5月に行われる三崎稲荷神社例大祭は、地元を上げての盛大なお祭りで有名です。

  「ご利益は風潮によって決まり、誰かに効けばご利益となるのです。例えば、日本大学は三崎稲荷神社の氏子さん。学生が受験前にここに参拝に来て合格すれば、その人にとっては学問の神様です。そして誰かにご利益があれば皆がそれを願って参拝に行く。それでいいんです。ご信仰を身近に感じることが大切なんですよ。多忙で墓参りに行けないのなら、参拝したい人物の名前を紙に書き、就寝前に拝めばいい。その気持ちが信仰であり、心の安らぎなんです」と宮司の山ア 寛さん。ご信仰は心の問題。明るく身近に感じることが大切だと教えてくださいました。

住所 :
神田三崎町2-9-12
電話 :
03-3261-1849

 

宮司の山崎さんのお話は、こちらの連載でも詳しく紹介しています。