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Ad-libooksの魁!就職活動:「世界一の本の街」にある古本高校。卒業が決まったAd-libooks。今度は就職活動!いざOB訪問へ!!

前シリーズ古本高校編はこちら!!

Ad-libooksとは
超名門・古本高校で出される過酷な指令をクリアするために組まれたテツヲ(左)とユキヲ(右)によるユニット。無事卒業が決まり、就職活動がスタート。憧れの(?)古書店主達に、「書棚の哲学」を直撃します!

OB訪問6 悠久堂書店 諏訪雅夫・雅也さん
前編

この続きは来月(4/10)をお楽しみに!!


今回のテーマは古本屋親子の絆。脈々と受け継がれた古書店DNAを伺いました!

悠久堂といえば、美術館の
図録を思い浮かべる!

テツヲ いよいよ球春到来! 今年も去年同様ぶっちぎりで巨人が優勝間違いなしだ!

ユキヲ お前さ、導入がいつもプロ野球じゃん。もっと違うネタないの?

テツヲ そういえば番長、この間信号待ちの時に、「俺、そろそろ結婚したい」とかいきなりこぼしましたけど、なんかあったんですか? 詳しく聞かせてくださいよ。

ユキヲ ……さて、就職活動・第6回は親子で登場! 悠久堂書店の諏訪雅夫さん・雅也さんのお2人だ!

テツヲ ねえ番長、なに、結婚するの?いよいよ身を固める気なの!?

ユキヲ(無視)悠久堂さんといえば、やっぱり美術展の図録のイメージですよね。

雅夫  扱い始めたのは15年ぐらい前、大型美術本がダメになり始めの頃だね。薄くて沢山入るから棚辺りの効率も良いし、需要は高いが新刊書店にない商品としてよく売れたよ。最近はかなり厳しくなってきてるけど。

雅也  展覧会ブームが起こって、似たような図録が増えてしまったのが一番の原因じゃないかな。印刷技術が向上して、作るのが楽になったこともあるかもしれませんが。

雅夫  今は展覧会に行っても図録を買わない人がほとんどらしいからね。書籍のデジタル化を考えると、今後も需要があるのか、ちょっと疑問だよ。

テツヲ 本当にその作品が好きな人は、紙に印刷したものを求めるんじゃないですか?

ユキヲ オレも個人的に図録は集めているんだけど、論文も収められているし、その研究の一番進んでいるところがわかるのも重要なポイントだよな。

雅也  そもそもうちは、美術書の前は何をやってたの?

雅夫  今の店が建った32年前は経済書が一番多かったな。最初、美術書は奥のほうに少しだけあったんだけど、売れるから段々と浸食していったんだ。昔は神保町の古本屋でも最初は何でも扱っていて、少しずつ方向性を決めたんだよ。ブームがあるから、その時々によって力入れるポイントを変える必要はあるけどね。


ズラリと並んだ美術館の図録の棚! あれも欲しい、これも欲しいとなるのは必定。隅から隅までずずずぃ〜っと、ご覧願い奉ります!

臨機応変こそが、
古本屋の逆説的なポリシー

ユキヲ ちなみに雅夫さんが扱い始めたのはどんな分野ですか?

雅夫  動植物かな。ある時に市場でまとまった一口を仕入れたら、お客さんが沢山集まった。同じような経緯で専門化のきっかけを作った店はかなり多いんじゃないかな。

テツヲ 雅也さんは?

雅也  図録に、より力を入れた感じです。僕が入った12年前は今ほど企画展も多くないから扱える量も限られていた。でも需要はあったから、少しずつ増やせるよう努力しました。
 ただ良い商品が入ってくれば、店の傾向と異なるものであっても、お客さんは必ず受け入れてくれます。「ニーズに応える」ことが一番のテーマなので、店のカラーにこだわりすぎず、時代に合ったものを仕入れていくっていうスタンスを大切にしたいですね。

雅夫  移りゆく需要に臨機応変に対応しないといけない。うちなんかたいした店じゃないけど、絶えず細かい変化はあるんじゃないかな。
 でもさ、この業界は経済的な規模は小さいけど、関わっている人がそう減ってないことを考えれば、本というものに生き甲斐を求める層はまだ多いのだろうし、我々の仕事は文化に貢献しているはずなんだよ。古いものが失われてしまえば、殺伐とした世の中になってしまうんじゃないかと危惧しているんだけど、若い人の生活を見ているとそうでもないのかな……。

雅也  経済的な余裕があれば、文化は必ず見直されますよ。今はみんな厳しいから、とりあえず新しいものに飛びついてしまうけど、いつか「自分の歴史を紐解きたい」っていう気持ちが起こるような時代が来るんじゃないかな。今は必要ないからといって棄ててしまえば、その恩恵は取り戻せなくなってしまうわけで。



アドリブックス初の酩酊状態での取材。後半戦はどうなることやら(笑)。

ユキヲ な、なんか高尚な話になってきたな……。

テツヲ ち、ちなみに悠久堂さんは料理やお酒の本も沢山ありますよね……。

雅夫  そうそう、ワインの本とかね、見るたびに飲みたくなっちゃうんだ(笑)。あれで身体こわしちゃうから良くない。

雅也  かといって健康になるような本は売れないからね!

この続きは来月(4/10)をお楽しみに!!

読書部の連載

とみさわ昭二の「古本“珍生”相談」 (連載中)

Ad-libooksの魁!就職活動 (2012年5月〜2013年6月)

Ad-libooksの魁!古本高校 (2011年6月〜2012年4月)