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    2012〜15年掲載

  JR御茶ノ水駅を聖橋口に出たところに立ち食いそば屋があったが、気がつくと店名が立ちそば「そば新」になっていた。前の店では、結局食べずじまいだったなと思いつつ、入ることにした。
   日曜の昼過ぎに店内に入ると、やはり狭い。このあたりはミニ店舗ばかりだね。ごはんものも一緒に食べたかったので、ミニ玉子丼セットにする(460円)。券売機でチケットを買い、カウンターで店の人に渡し、「冷たいそばで」とお願いすると、「もりとぶっかけがありますが」とのこと。
   ここはぶっかけだなと思い、注文。「3分ほど待ってください」と言われる。ここは注文してから丁寧に作ってくれるのだ。あとの客に何人か抜かれるが、玉子丼も時間がかかるからなと思いつつ、しばらく待つと出来上がったようで、呼ばれてウキウキ。
  これはカッコいい! 玉子丼にはナルトがどっさりと入っていて、そばには、たぬき(天かす)、ネギ、ワカメ、ワサビが美しく盛られている。まずは、そばを混ぜるかね。混ぜたあとに玉子丼から食べる。わりとキック力のある甘辛さだ。何よりもシャキシャキのタマネギ、ナルトが玉子のなかにどっさりと入っていて、とても食べ応えがある。玉子のやさしさのなかに栄養や歯ごたえがインボルブされている感じですね。
   また量的にはミニ≠カゃないな(笑)。続けてぶっかけそばをズルズル。たぬきのカリカリ、ネギのシャキシャキ、ワサビのツーン、そしてそばのシコシコが、メリハリのある麺つゆと相まって、素晴らしい味に昇華されている。こんなにおいしくて460円でいいのか!と思った御茶ノ水の昼下がりだった。

  実は立ちそばに関しては、現在新刊を準備中。竹書房文庫から秋に発売予定で、タイトルは『立ちそば春夏秋冬』(仮題)。季節の移り変わりを感じつつ、そばを食べていくという内容で、立ちそば歳時記的なものですね。だって、立ちそばって、とても季節感があるものだからね。1年を通して楽しめる1冊となるので、乞うご期待! ただ、自分のなかで立ちそばを食べる頻度を調べてみると、夏がいちばん多かった。私は冷たいそばが好きだからね(笑)。



イメージ
外観
店 名 :
立ちそば「そば新」
住 所 :
神田駿河台4-5