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    2012〜15年掲載

源来酒家
前から入ってみたかった!
  休日の神保町。九段下方面に用事があったので、靖国通りを靖国神社方面に歩いていると、源来酒家がランチをやっていた。休日なのにエライな。ここ、前から一度入ってみたかったので即入店。奥の4人がけテーブルに座らせてもらう。
   ランチは複数あるが、何にしようか。Aの「茄子と豚肉のピリ辛炒め」だな。1000円。ライス大盛りサービスなので、そうしてもらおう。店の人に注文し、出てきたカッコいい器に入った水を飲みつつ、しばし待つ。お手洗いを借りよう。聞くと2階なので、用事を済ませて戻ってくるとランチが登場。これはとても美しそうな定食。サラダもついている。
   まずスープから。ワカメとネギのシンブルなスープ。だが、日本のワカメスープとは味わいが違い、少し「大陸」で食べた感じの味わい。
  
茄子はトロトロ、豚肉は柔らかい
  続けてメインに。美しくカットされた茄子と肉がたっぷり。食べると茄子はトロトロ、肉はとても柔らかく、とてもいい感じ。ごはんをもりもりと食べてしまう。サラダも食べよう。水菜、レタス、ニンジン、キュウリのサラダで食べると、スープ同様、ドレッシングが食べなれた味ではない。とうもろこしのような香ばしい味わいもある。
   ただ、ちょっと違和感があるけれど、食べているとじわりとおいしい。経験上、このタイプの味わいは、食後に記憶に残る可能性が高い。そう考えつつ食べ進める。まあ、メインとごはんはストレートにおいしいので、総じて、おいしい。
   1000円は私にしては高級なランチだが、実際は量も多いので全く高いとは思えない。かくして全て食べ終わる。ああ満腹!(「今月の今さん」に続く)
ちょっと高級中華的な美しさですね!

  最後に水を飲み、席を立ち、会計。店の人に「サラダおいしかったですよ」と言うと、「ドレッシングは自家製なんです。ショウガやセロリなど入れてね」とのこと。そうか、あの味わいは香味野菜由来か! ちょっと謎が解けた感じを抱きつつ、外に出て歩き始める。 ……すると。口の中に“味わい”が甦ってきた。“おいしさ”が反芻している。これだ! やはり「記憶に残る味」だ、源来酒家! 「また来よう」と思い、靖国方面に進んだのであった。
かながわ定食紀行6』神奈川新聞社。




イメージ
外観
店 名 :
源来酒家
住 所 :
神田神保町3-3
サイト :
お店のHP