「定食バンザイ」著者今柊二が行く!定食ホイホイ第174回 -こんごう庵

:   温かい春の日。神保町で平日の12時40分。ナイスな時間です。今日は暖かいので冷たい蕎麦を食べたいと思いつつ、靖国通りの裏側を歩いていると、こんごう庵が。そうだ、ここ一度入ってみたかったのだ。ランチもやっているので、すっと入店する。
  ちょうど客が帰りかけている時間。店内はほぼサラリーマンのご同輩たち。うむ、タダシイ昼のビジネスランチタイムですね。2人席に座ると、お茶とおしぼりが出てきた。何にしようかと悩んだが、海鮮とろろ定食1000円ですね。注文を取りに来たお姉さんに、「冷たい蕎麦で」と付け加える。
  ここは冷たいのは“ざる”ではなくて“かけ”だそうだ。お茶を飲みつつ待っていると、隣のお姉さんはサケ・イクラ丼定食を食べている。それも良いなと思っていると登場。
:   おお、立派！タレのようなものがついていたので、通りかかった店員のお兄さんに聞くと「味はついていますが、足りなかったらどうぞ」と。「タレですか?」「醤油です」「なるほど」「まあ、しょうゆうことで」と去っていった。すごくいい店だ（笑）。
  では、食べよう。蕎麦が食べたかったので、こちらから。ネギがかかっている。細麺シコシコつるつるで。良い蕎麦だ。続けて丼に。刺身は、マグロ、ブリ、サーモンの切り身、下にはトロロ、周りに海苔がかかり、中央にワサビが配されている。
  食べると、新鮮な刺身と味のついたとろろのハーモニーは抜群。ゆるゆるとしたとろろと、刺身の爽やか、かつ頼もしい味わいをごはんが受けて止めている。素晴らしい。完成されたサラリーマンランチだ。
  （「今月の今さん」に続く)

  店員さんも多くて、みんなキビキビと気持ちいい感じ（ギャグもあるし）。そんな様子をぼんやりと見つつ、食後のお茶を少しゆっくりといただき、席を立って会計をしたのだった。
  ほかのランチメニューも、タレカツへぎそばセットなど、気になるので、また来ることにしよう。この近所で働いていたとすれば、週に何度かは訪れたくなる店だな！
  『昭和平成令和定食紀行』(竹書房文庫)

店　名 :: へぎそば地酒処こんごう庵（神保町店）
住　所 :: 神田神保町1-18-1 千石屋ビル1F
サイト :: お店のHPなし

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