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    DJ大塚広子の「神保町JAZZ」
    2012〜15年掲載

DJ 大塚広子の神保町JAZZ:人気美人DJ・大塚広子が贈る、珠玉の神保町セレクト!

DJ Hiroko Otuka
幅広く柔軟なJazzの切り口と、徹底した音源追求、繊細かつ大胆なプレイを持ち味に、DJ/イベント企画、執筆活動を行う。全国各地から、スペイン、フジロックフェスティバル、BLUE NOTE TOKYO等に出演。日本のジャズ・レーベル、「TRIO」、「somethin'else」(EMI)、「DIW」(DISK UNION)のMIXCDを監修制作する。

オフィシャルHP http://djotsuka.com

第1回 新緑のモーニングタイムに聴きたいジャズ

Hiroko's Selection

  • The Honeysuckle Breeze

    @
    The Honeysuckle
    Breeze
    Tom Scott

    L.A出身のサックス奏者トム・スコットの'68年初リーダー作。 ジャズの名門レーベル、impulse!からのリリースですが、聴いてびっくり!ジャズとポップスが並立した作品になっています。 ビートルズのカヴァーから、彼が影響をうけたジョン・コルトレーンのナンバーまで、ジャンルを超えて60年代サウンドが楽しめる作品です。

  • Jutta Hipp with Zoot Sims

    A
    Jutta Hipp
    with Zoot Sims
    Jutta Hipp, Zoot Sims

    東ドイツ出身の女性ピアニスト、ユタ・ヒップの'56年作。 彼女は当時著名のジャズ評論家レナード・フェザーに見出され渡米。 ブルーノート・レーベルのプロデューサー、アルフレッド・ライオンとはドイツ人同士、即契約に至りますが作品はわずか3枚…。 このラスト・アルバムは未完成こそ美しいといわれる、儚い魅力を感じる作品です。

  • Alive

    B
    Alive
    Grant Green

    1960年代からブルーノート・レーベルのお抱えギタリストともいわれる、グラント・グリーンの'70年作。 オーソドックスなビ・バップから、モード・ジャズ、そして同作を代表するジャズ・ファンクまでマルチに作品をリリースしています。 ソウル/ファンクとジャズが融合した時期の傑作!ジャズメンもジェームス・ブラウンに影響を受けていたんですね。

  • Visions Of A New World

    C
    Visions Of
    A New World
    Lonnie Liston Smith

    キーボード奏者、ロニー・リストン・スミスの'75年作。 アメリカ、Flying Dutchmanからリリースされた4作目。 この前年にリリースされた「Expansions」も疾走感ある名作でこちらも要チェック!ちなみに、60年代から活躍しているジャズ・オルガン奏者、ロニー・スミスとは全くの別人です(笑)。

ジャケットだけでも
魅力の2作!

 今回から連載させていただくことになりました大塚広子です。神保町は古本屋やレコード屋、カレー屋、喫茶店…。足を運べば千鳥ヶ淵、皇居周りのランニング…。寄り道も、休日歩きも魅力満載です。さて、そんな神保町を闊歩するとき、あなたは何を聴いていますか?音楽次第でちょっとドラマチックに、現実逃避もできちゃうもんです。今回は、清々しいこの季節の朝にぴったりのジャズをご紹介します!
 まずは、L.A出身のサックス奏者で作曲家として今も現役のトム・スコットの@。'68年の作品で、シタールやコーラスを取り入れたフラワー・ムーヴメントを象徴したカラフルなサウンドが特徴。収録の「Today」は、ヒップホップの人気作品、ピート・ロック&CLスムースの「T.R.O.Y.」のネタとしても有名で、そのほかにも、ジョン・コルトレーンの絶品カヴァー「Naima」やソフトロック調な曲もあり、バラエティ豊か。ジャケットがもう、最高にポップで気持ちいいですね!!
 そしてジャケットの魅力でいうと、Aのブルーノート名盤は外せません。ドイツの女性ピアニスト、ユタ・ヒップと西海岸の白人テナー・サックス奏者、ズート・シムズの連名リーダー作。彼女の遺作となった'56年の作品で、二人のクールでしなやかな掛け合いが大人なジャズ。日本でも不動の人気盤なのでぜひご一聴を。邦題「コートにすみれを」も題名通り季節感たっぷりで情感あるピアノが楽しめます!

ひときわ瑞々しい
ジャズ・ファンク!

 Bは名門ブルーノート・レーベルつながりで、'70年の作品。10年以上経つとジャズもこんなに変化します!ファンキー・ジャズの流行とともにひっぱりだこだったギタリスト、グラント・グリーンのライヴ盤。まあ、彼の名前からして"緑"なんですが(笑)、もちろんジャケットだって青々としております。ご存知クール&ザ・ギャングの「Let The Music Take Your Mind」のカヴァーから始まる勇ましいジャズ・ファンクや、'90年代アシッド・ジャズの火付け役、US3がサンプリングして一躍有名になった「Sookie Sookie」等、どこかで耳にした方も多いのでは?歩幅が大きくなって、胸を張って闊歩したくなる曲ばかり!
 そして、最後のCは、さらに5年経った'75年の作品。鍵盤奏者、ロニー・リストン・スミスの人気作ですが、これも結局ジャケットで選んでない?っていわれそうな…(笑)。でも内容がバッチリなんです。Bで聴けるジャズ・ファンクから、シンセサイザーの導入により、ドリーミーで奥行きあるサウンドに成功しています。「A Chance For Peace」はまさに進化系のジャズ・ファンク。幻想的なピアノとのびやかなヴォーカル、そこに重なるパーカッションが自然に帰化していくようなオーガニックな雰囲気を醸し出しています。ああ、このまま遠くに行きたい〜…。って、コラコラ、もう時間ですよ(笑)。


ライブ情報

  • 5/20(日) 18:00〜 鎌倉 VenusCafe
  • 5/22(火) 19:00〜 六本木 アルフィー
  • 5/25(金) 22:00〜 渋谷 The Room
  • 5/27(日) 12:00〜 レコードツアー 〜吉祥寺ジャズ喫茶メグ
  • 5/29(火) 19:30〜 新宿 Brooklyn Parlor
  • 6/7(木) 19:00〜 BLUE NOTE TOKYO
  • 6/9(土) 22:00〜 江古田 Cobra
  • 6/15(金) 19:00〜 吉祥寺 メグ
  • 6/18 (月) 18:00〜 新宿 ピットイン
  • 6/19(火) 19:00〜 六本木 アルフィー

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