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    DJ大塚広子の「神保町JAZZ」
    2012〜15年掲載

DJ 大塚広子の神保町JAZZ:人気美人DJ・大塚広子が贈る、珠玉の神保町セレクト!

DJ Hiroko Otuka
幅広く柔軟なJazzの切り口と、徹底した音源追求、繊細かつ大胆なプレイを持ち味に、DJ/イベント企画、執筆活動を行う。全国各地から、スペイン、フジロックフェスティバル、BLUE NOTE TOKYO、東京ジャズフェスティバル等に出演。日本のジャズ・レーベル、「TRIO」、「somethin'else」(EMI)、「DIW」(DISK UNION)、「Venus Records」のMIXCDを監修制作する。

オフィシャルHP http://djotsuka.com

第21回 ロバート・グラスパーのベーシスト、デリック・ホッジ。

Hiroko's Selection

  • Weightless

    @
    Live Today
    Derrick Hodge

    2013年リリース。色彩感があって、体感的なグルーヴもある。リズムや音色の多彩さも新しい。それはデリック・ホッジ含め参加ミュージシャンの多くがプロデューサー指向だから故。ベースミュージックやハウスの要素もふっと現れたり、そんなリズムの間にあるプレイヤーの自由度のある演奏を聞くと、あ、やっぱりジャズなんだ、と感じたり・・・♪

  • Lost & Found

    A
    Black Summer's Night
    Maxwell

    2009年リリース。ネオ・ソウル界のヴォーカリストとして、ディアンジェロと並び知られてきた彼の待望8年ぶりのアルバム。ヴォーカルの艶やかさも然る事ながら、タイトでスパイスの効いた印象を受けるのはやはりバックミュージシャンの手腕によるもの?楽曲の長さや構成もスマートで、とても聞きやすい内容になっています♪

  • Kachupada

    B
    Be
    Common

    2005年リリース。ラッパー、コモンの6作目となる本作は、"バック・トゥ・ベーシック"をコンセプトとし、カニエ・ウエストが全面プロデュース、Jディラも担当したヒップホップファンの愛聴盤。ソウルフルで生音に近い印象に仕上がったのは、サンプリング手法とあわせてジャズ畑でも活躍するミュージシャンのサポートもあったからこそ♪

  • It's A Good Day

    C
    Introducing
    Keyon Harrold

    2008年リリース。チャールズ・トリヴァー・ビッグバンドで活躍し、ビリー・ハーパーからJay-Zまで共演する現代のトランぺッター。恩師チャールズ・トリヴァーも参加した初リーダー作は、4ビートから16ビートまで幅広いリズムが展開し、シャープかつモーダルなアレンジも現代的。「Hip Hop Joint」 というネーミングの楽曲も◎♪

ジャズの
クロスオーバー感覚♪

 明けましておめでとうございます!今年の年初めはデリック・ホッジの来日ライヴのオープンングアクトDJでスタートしました。12回目でご紹介したロバート・グラスパー。グラミー受賞ですでに時の人となりグラスパー狂の女性もかなり多くなってきている今日この頃。この現在のジャズの間口をさらに広げたのが、ロバート・グラスパー・エクスペリメントのベーシスト、デリック・ホッジのリーダー作、@でした。そのリリースに次いで昨年秋にリリースされた、エクスペリメントの新作『Black Radio2』が歌モノ基調だったことで、より@のインストルメンタルな側面が際立った印象となりました。特にライヴでは、各楽器のソロが長くとられ、彼らの即興が視覚的な身体の動きとあいまってよりジャズらしさが伝わる内容。あわせてこのグループの特徴であるトータル・アレンジの素晴らしさがよくわかり楽しさも倍増でした♪ジャズが各ソロの技量を競うだけでなく、曲全体でみせる60〜70年代前後の音楽にも似て、それらの持つジャズ、クロスオーバー感覚(例えばロニー・リストン・スミスの音楽のような)に通じるような内容として共感を持つ方も多いのではないかなと感じました。こんな音楽を作っているメンバー、きっと面白いことをしているはず!と調べてみた関連作品をご紹介します。まずはA。今回来日したデリック(b)とキーヨン・ハロルド(tp)フェデリコ・ゴンサレス・ペナ(key)が勢揃いしてる!

ヒップホップと
ジャズミュージシャン・・・?

 このAでは、来日したバンドのマーク・コレンバーグ(ds)と一緒に同じくロバート・グラスパー・エクスペリメントでも参加しているクリス・デイヴ(ds)がクレジットされていて、ほぼ今旬のメンバーが固まっています。この頃からトータル・アレンジがばっちり!ネオ・ソウルの一線でもトラックの色をしっかり作っています。こうして音に耳を傾けて楽器を追いながら聞くのも面白いですね。そして次は、B。ここではイントロのベースを聞いてみてください。弾いているのは、デリック・ホッジ。ヒップホップもネオ・ソウルも、今のジャズが一緒になっていることがこの時点でわかってきますね。このラッパー、コモンはヒップホップ界において生のミュージシャンを起用したキーマンのひとりです。彼の2000年の作品『Like Water For Chocolate』に参加しているミュージシャンが、今取り上げられているジャズ人脈に繋がっています。またこの時のツアーに参加していたマーク・コーレンバーグ(ds)は、これ以降次第に人気が浮上していきました。今回共演したメンバーもみんな口を揃えてコモンとの活動のことを話していましたよ♪そして今回来日したキーヨン・ハロルド(tp)のリーダー作、Cもヒップホップとジャズを融合させている面白い作品です。Jay-Z やMobb Deep といったヒップホップスターとの作品に関わりながら直球ジャズにも臨む期待のトランぺッターです。


ライブ情報

  • 1/24(金) 渋谷 The Room
  • 1/26(日) 渋谷 Saravah Tokyo
  • 12/1(土) 江古田 Buddy
  • 2/28(金) 渋谷 The Room

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