『もう一度アイラブユー』
 三原じゅん子 著、モデル／コアラ
（2000年／キャンパスシネマ）

相手がいるなら
結婚しちゃえばいいじゃない！

  フムフム、5歳年下の彼氏がいるけど、まだ結婚は考えていないとおっしゃる。相談者さんの余裕コキぶりに、ナビブラ読者の"非モテ"読者さんたちが燃やしているであろう嫉妬の炎が神保町に届いて、ワタクシ冷や汗が止まりませんよ！

  結婚っていうのはタイミングのものでもあるからね、たとえ彼氏がいても、何かきっかけがなければその一歩を踏み出せないというのはよくわかる。ただ逆に言えば、自分できっかけを作らないかぎり結婚なんてできないもんですよ。そういう意味で、親孝行を理由（きっかけ）にして結婚してしまうのは、そう悪い選択肢ではないと思う。
  もう少し結婚というものを軽く考えてもいいのかもしれないよ。相手がいるならとりあえず結婚しちゃう。それでうまくいったらよし。ダメなら離婚しちゃえばいい！　「愛は永遠だ」なんてまやかしだ！

  『もう一度アイラブユー』という本がある。著者は芸能界でも有数のラブラブカップルとして知られた三原じゅん子さんと、5歳年下の夫コアラさん。この本の中に、2人が出会って初デートをするときの様子が書かれているが、これがすごい。

  デートの日は六月二十二日。ママ（註：三原じゅん子さんのことをコアラ氏はこう呼ぶ）が夕方まで舞台稽古があったので、それ終わりに稽古場の近くの三軒茶屋で待ち合わせとなりました。 　その間、僕は待ちきれず、ママと会うであろう時間の三時間前から三軒茶屋をウロウロ。82kgの僕は三十分で汗をかきＴシャツがビショビショ。初めてのデートなのに、こんな姿、ママには見せられへんと思い、新しい洋服をさがそうといろんな店を見て回ってまた汗をかき、僕はとうとう近くの銭湯に入りました。
（P34より）

  何をしてるんだか……。まあ、それだけ真剣に相手のことを思いやっているわけで、一方の三原さんもデートのために洋服を新調していたというから、2人の思いは本物だ。

  このエピソード以外にも、マスコミに隠れてのデートの様子や、コアラのダイエット企画を三原さんが陰で支えていたこと、そしてプロポーズの瞬間のことなど、2人がいかにして愛を育んでいったかが満腹するほど書かれている。最終ページには、どこかで2人に会ったらサインをもらっちゃおう！という、じゅん子＆コアラのラブラブ・プリクラ付きのサイン書きスペースまでついている有り様だ。
  そんな2人だけど、8年後には離婚しちゃうんだよねえ……。愛って、なんだろうねえ。

結婚と毛皮選びは
どこか似ている…

  さて、結婚するより1人で「暑い夏なら部屋の中で下着姿でウダウダしていたい」とおっしゃる相談者さんには、ぜひとも裸族の本でもご紹介しようと思ったのだが、それは先月やったのよね。なので、今回は裸とは正反対に、こんな本をお薦めしたい。『毛皮の選び方と手入れ』だ。

『毛皮の選び方と手入れ』
 日本原毛皮協会 監修、出倉恵美子 著
（1992年／大泉書店）

  「わたしの悩みと毛皮に何の関係があるのよ！」と相談者さんはおっしゃるかもしれない。けれど、本書の見出しをいくつか拾い上げてみよう。

  ・毛皮の買いどきはいつなのか
  ・“毛皮”は神の贈り物
  ・生活の必需品としての毛皮
  ・毛皮を着る目的をハッキリさせる

  どうだろう、何かが見えてこないだろうか…。これらの見出しの中の「毛皮」という言葉を、「男性」または「夫」に置き換えてみるのだ。

  ・毛皮との出会いは試着あるのみ
  ・何度でも試着して納得できるものを
  ・自分の目と地域の評判で判断

  何度でも試着！　すごいこと言うね。でも、地域での評判は大切な要素だ。

  ・ほとんどの人が国内で購入

  ま、たしかにそうだね…。

  ・毛皮は消耗品と心得て
  ・毛皮は自然に劣化していくもの

  ぎくっ！　そろそろ初老にさしかかった男としては胸に刺さるものがある。

  ・2着目でグレードアップをはかる

  さあ、最初に言った話に戻ってきましたよ。毛皮選びと結婚は似ている。何度でも試着して、納得いったら迷わず買う。劣化したら買い替える。だから相談者さんも、相手がいるならとりあえず結婚しちゃって、うまくいったらそれでよし。ダメならやり直せばいいんだよ！