2008年の世界的金融危機の後、大規模な金融緩和と財政出動が世界中で行われている。にもかかわらず、低金利下での低インフレ(デフレ)というトレンドが続いている。今回は、人々のインフレ期待は政策当局の意図せざる方向に変化しているのではないかという仮説について論じたい。 コロナ下で日経平均は29年ぶりの高値圏に到達しました。株価を押し上げる根本的な原因になっているのが、金融緩和であることは間違いありません。この金融相場はいつ終わるのでしょうか?私たち投資家が注目すべきは「物価上昇率」です。(『バリュー株投資家の見方|つばめ投資顧問』栫井駿介), 【関連】居酒屋の倒産ラッシュ開始。「忘年会消滅」でも生き残るのは◯◯な店だけ=栫井駿介, 株価が上昇を続けています。日経平均株価はバブル崩壊後の高値を更新、ダウ平均は史上初の3万ドルを超え、ナスダックは最高値をなお更新中です。, 株価を押し上げる根本的な原因になっているのが、金融緩和であることは間違いありません。企業業績が大きく上向かなくても金融緩和によって株価が上がるのは、以下の公式によって説明できます。, 金利が下がると「r」が下がって分母が小さくなりますから、PERは上昇します。今はどの国も「ゼロ~マイナス金利」ですから、分母は過去に例を見ないほど小さくなっているのです。, この状況下で「リスクの小さい企業」や「成長率の高い企業」のPERは限りなく上昇します。分母がゼロに近づけば、PERは無限大に発散するのです。したがって、金融緩和が長引けば長引くほど、株価にはまだまだ上昇余地があることになります。, だからこそ、多くの投資家はこの金融緩和がいつまでも続くことを望んでいます。FRBは少なくとも2023年末までゼロ金利を続ける方針を表明しています。これはコロナが終わろうと、終わるまいと、そのような方向になりそうです。, 金融緩和は、金融商品の値上がりはもとより、実体経済にもお金を回すことを目的とします。こうして経済が元気になれば、多くの人はハッピーになれるでしょう。, 金融緩和と財政拡大を続けることでお金をジャブジャブ回し続ければ、みんなハッピーであり続けられる――こう考えたのが、昨今の経済学で話題になっているMMT(Modern Monetary Theory)です。, かつては馬鹿げた理論とされていましたが、近年は「まともな」学者でこの考えに傾倒する人も少なくなくなってきました。, この理論の拠り所となっているのが、日本経済の状況です。日本では、1995年以降長年にわたってほぼ「ゼロ金利」が継続し、同時に国債残高を世界最大級まで増加させてきました。, お金を配り続けることの最大の弊害はインフレです。従来の理論ではこれが大きいがために、むやみな金融緩和は慎むべきだとされてきました。, 第一次世界大戦後のドイツや世界恐慌後の日本でも国債増発によるインフレに苦しみました。, ところが、近年の日本ではいくら金融緩和と国債増発を行っても、インフレどころかデフレを脱却するのがやっとというところです。これを見た学者が「うまくやれば大丈夫じゃないか」と考えるようになったのです。, MMT論者も、インフレを無視しているわけではありません。その証拠に、彼らの枕詞にはいつも「インフレが起きなければ」と付きます。要はここがすべてなのです。, 専門家と個人投資家の本音でつくる、
野口悠紀雄著の『金融緩和で日本は破綻する』(著書)には、①日本の「デフレ」は、教科書的な意味のデフレではない。 ②金融政策で生じているものではないから、金融緩和をいかに進めたとしても解決できない、と書かれてあります。 金融緩和でデフレが治まると誰が言いました?何の本に書いて有りますか?? 普通は金利ゼロで借りた「お金」を以って投機に走るものです。失敗すればもっとデフレに傾くでしょう。 最貧層や、貧民層に十分にお金が回らなければ、デフレは収まりません。 “リフレ”という言葉が最近、新聞紙面を賑わせています。もちろんここで言うリフレは立派な経済用語。アベノミクスを語る上で避けては通れない重要な言葉の一つです。デフレ状態から脱却したものの、インフレと呼ぶほどでもない状態のことを“リフレ”と呼びます。 そうはならない可能性の1つが貨幣愛の消滅だろう。 長期デフレの後で急に貨幣愛のバブルが崩壊し、予測不能な高インフレが起きてもおかしくはない。 物価の下落と貨幣価値の上昇は同じ意味。. お金も例外ではありません。. 老後資金の悩みは尽きないですが、総務省統計局の「家計調査報告(貯蓄・負債編)―2019年(令和元年)平均結果―(二人以上の世帯)」によると、貯蓄現在高の平均値は1,755万円あります。貯蓄保有世帯の中央値でも1,033万円と1,000万円以上あり、問題なさそうな気がしてしまいます。, しかしその構成比をみると、通貨性預貯金が28.1%、定期性預貯金36.7%と6割以上が預貯金となっています。ここで日本銀行が目標とする「物価上昇率(インフレ率)2.0%」が達成する未来を考えると、預貯金の実質的な価値は減少していくことになります。, 本当にインフレ率2.0%が達成されるのか否かは分かりません。しかし頭の片隅においた資産形成を考えても良いかもしれません。, 日銀が「物価安定の目標」を掲げたのは2013年1月です(※1)。2013年4月に「量的・質的金融緩和」を導入、2014年10月に「量的・質的金融緩和」の拡大を行い、2015年12月には「量的・質的金融緩和」を補完するための措置を導入しました。さらに2016年1月には、「マイナス金利付き量的・質的金融緩和」を導入し、2016年7月には「金融緩和の強化」を行っています。しかし2020年現在に至っても、その目標は達成されていません。, 2016年9月の金融政策決定会合にて検証が行われ、「2%の実現を阻害した要因」として、「①原油価格の下落、②消費税率引き上げ後の需要の弱さ、③新興国経済の減速とそのもとでの国際金融市場の不安定な動きといった外的な要因」(※1)を指摘しています。このような状況下で予想物価上昇率が弱含みに転じたことを主な要因としています。, 2020年1月、大和総研の金融調査部 長内氏は「インフレ目標を達成するためには、日本経済の成長ペースを一段と高めることを通じてGDPギャップの推移を押し上げることが大事となる。ただ現実的には、日本銀行の金融政策のみで、経済成長率を加速させることには限界もある」(※2)と、中長期的な政府と日銀の連携の必要性を述べています。, アフターコロナはインフレなのかデフレなのか、様々な説があります。米連邦準備理事会(FRB)をはじめとした世界各国の中央銀行の量的緩和や政策による支援などで、インフレ期待が高まるという説。また供給制約や安全面などの重要視によるインフレも起こるのでは、といった声もあります。一方で、直近で公表された日本の需給ギャップの大きなマイナス幅により、深刻な需要不足は継続するとの指摘や、「withコロナだからこそ貯蓄が増える」といった懐疑的な意見も目立ちます。今後は誰にも分かりません。ましてや何十年後の未来なんて想像もできない人が多いのではないでしょうか。2020年のコロナ禍を誰もが想像できなかったように。, 埼玉大学経済学部卒業後、テクノロジー関連の専門紙の記者に従事。
──長い間、マクロ経済の「資金需要」をキーワードにインフレやデフレの見通しを論じてきましたが、現在はグローバルインフレが始まるという見方を強めているそうですね。 グローバルなマネーが実体経済の中で拡大していくこと。これが今後の動きのカギだ。これまでは、グローバルデ� 欧州中央銀行(ECB)政策委員会メンバー、ビルロワドガロー・フランス中銀総裁は13日、ECBは必要な限り緩和的な金融姿勢を継続すると言明した。 デフレから抜け出せなくなる悪循環を、 デフレスパイラル と言う。. デフレ脱却に向けた「量的・質的金融緩和」の推進 国際通貨研究所主催国際金融シンポジウム ... 本日お話した「量的・質的金融緩和」は、予想インフレ率を政策的に引き 上げるという大きなチャレンジです。これまでのところ、この政策が所期の 効果を発揮するもとで、日本経済は2 金融緩和により、「将来もデフレが続くだろう」という予想を変え、「将来は安定的なインフレが続くだろう」という予想を早期に形成すること、これが重要なのです。 デフレかつ超低金利で消費が減って、さらにデフレになる。 この構図は永遠に続くのか。 貨幣愛の消滅. 量的緩和政策によってゼロ金利状態を継続しているのは、デフレからの脱却を目指しているからである。ところが、経済が長期的な均衡状態に入っているのならば、名目金利ゼロの状態が続けばデフレが継続する、ということになる。 第1波で投資家が参考にした「厳選推奨銘柄」とは, なぜクレカ投資の人気が上昇?経済アナリストとカード比較サイト編集長が語る“最適な1枚”, ついに上場したAirbnb、なぜ巨額赤字でも倒産しない?キャッシュフローに秘密=シバタナオキ, 真似るな危険?バフェットから妻への遺言「私が死んだらS&P500を買え」の問題点=川畑明美, 指標悪化、株価急落で実態経済との乖離解消か。日経平均・米ドル/円 週間展望=馬渕治好, 金価格高騰もまだまだ破格に安い?「金レシオ」でわかる今後の伸び代とリスク=吉田繁治, もしもユーロがなかったら?欧米メディアが生み出した「不誠実なギリシャ」の虚像=矢口新, 日本経済3つの選択。「2025年、消費税20%」で財政破綻は回避できるか?=田中徹郎, 箱根駅伝「沿道観戦」で怖いのはコロナよりもネット晒し。SNSに出回るアホ面=高梨彰, さすが日経新聞?2020年元旦の予測的中、なぜ企業成長の方程式は崩れたか=山田健彦, 中国共産党の「超独裁国家」建設は最終段階。創設100年機に権力集中、習近平が日本と世界を監視支配する=江守哲, 本当に信頼できる「住みたい街ランキング」教えます!不動産のプロが各社発表を選別=姫野秀喜, Apple Carは今年9月発売が有力!アップル株の上値余地と大穴関連銘柄=栫井駿介, 東京五輪の費用、当初7000億から3兆円へ。予算も気候も偽って誘致した責任は誰が…, 世界中が「低欲望社会化」する中、日本は美しい衰退に向かう【大前研一「2018年の…, 日本の貧困層は飢えずに太る。糖尿病患者の半数以上が年収200万円未満の衝撃=鈴木…, ついに年金不足を政府が明言、運用失敗で15兆円を溶かしながら国民に自助を求める非…, ALSOK、前期大型受注の反動減の影響を受けるもM&A効果により、中間期ベースで10期連続増収を達成, Shinwa Wise Holdings—2Qは2ケタ増収、エネルギー関連事業が業績に寄与. アフターコロナはインフレかデフレか? 日銀が「物価安定の目標」を掲げたのは2013年1月です(※1)。 2013年4月に「量的・質的金融緩和」を導入、2014年10月に「量的・質的金融緩和」の拡大を行い、2015年12月には「量的・質的金融緩和」を補完するための措置を導入しました。 Copyright © 2021 LIMO [リーモ] | くらしとお金の経済メディア All rights reserved. 本日は、昨年4月から日本銀行が進めている「量的・質的金融緩和」の内容 とその背後にある考え方、政府が進めている成長戦略との役割分担などにつ いてお話ししたいと思います。 2. インフレ目標政策とデフレ (1)デフレのもたらす弊害 インフレターゲットとは、政府や中央銀行が物価上昇率に目標値を設けて、その目標値を達成できるよう金融緩和を進めていく政策を指します。 通常、インフレやデフレといった経済現象は、市場の需要・供給バランスによって起こります。 「家計調査報告(貯蓄・負債編)―2019年(令和元年)平均結果―(二人以上の世帯)」, 【女性限定】年始は資産運用の準備をするチャンス!まずは無料オンラインセミナーから [PR](マネイロ), ALSOK、前期大型受注の反動減の影響を受けるもM&A効果により、中間期ベースで10期連続増収を達成. 金融緩和によって物価上昇率を高めることができないことは、既に日本では証明済みだ。物価上昇率は下落するとしても、それはわずかな下落であり、世界恐慌の際に見られた物価と経済(実質gdp)が相乗的に縮小する、危険な「真正デフレ」とは異なる。 これが今後の動きのカギだ。これまでは、グローバルデフレだったというのが一般的な考え方だ。世界で金融緩和を進めても、グローバルにマネーが拡大しにくい何らかの理由が、金融政策の外に存在した。 異次元の金融緩和. 中央銀行は停滞した経済を支えデフレから脱却するためにゼロ金利政策や量的緩和などの金融緩和を行なってきたはずだからである。 しかしドラッケンミラー氏によればそれは逆で、中央銀行の金融緩和こそがデフレの原因だと彼は主張しているのである。 金融緩和によって物価上昇率を高めることができないことは、既に日本では証明済みだ。物価上昇率は下落するとしても、それはわずかな下落であり、世界恐慌の際に見られた物価と経済(実質gdp)が相乗的に縮小する、危険な「真正デフレ」とは異なる。 ところが、近年の日本ではいくら金融緩和と国債増発を行っても、インフレどころかデフレを脱却するのがやっとというところです。これを見た学者が「うまくやれば大丈夫じゃないか」と考えるようになったのです。 ところが、近年の日本ではいくら金融緩和と国債増発を行っても、インフレどころかデフレを脱却するのがやっとというところです。これを見た学者が「うまくやれば大丈夫じゃないか」と考えるように … デフレとは物価が下落し、反対側で貨幣価値が上昇する現象。. デフレはデフレーション、インフレはインフレーションの略称。. 2013年4月4日 日本銀行の金融政策決定会合で「量的・質的金融緩和」の導入、資産買入等の基金の廃止を決定 2013年12月24日 政府の2013年12月の月例経済報告において「デフレ」の文言がなくなる(2009年10月以来、4年2ヵ月ぶり) ★今回の記事「大規模金融緩和の行く末-インフレの前にあるドル安シナリオ-」のオンライン解説を、8月22日(土)17:00~17:30に行います(参加費無料)。お申込みはこちらから!(マネーブレインWebサイト) 日米欧の中央銀行は、消費者… 不景気(デフレ)時に行う金融政策は「金融緩和」。 景気が良すぎる(インフレ)時に行う金融政策は「金融引き締め」。 以上になります! それでは今回はここまで!また別記事でお会いしましょう! … 「経済政策」に関してのニュースを聞かない日はない、といっても過言ではないほど、経済政策は現代の政治に欠かせない要素の一つです。 財政政策、国債、売りオペ、買いオペ、公共事業、マイナス金利、金融緩和などなど、これらの言葉は全て「経済政策」に関わる言葉です。 ところが、近年の日本ではいくら金融緩和と国債増発を行っても、インフレどころかデフレを脱却するのがやっとというところです。これを見た学者が「うまくやれば大丈夫じゃないか」と考えるように … 【ホンシェルジュ】 インフレとデフレは、どちらも経済状況を示している言葉です。この記事では、それぞれの意味や仕組み、発生する原因、経済への影響などをわかりやすく解説していきます。あわせておすすめの関連本も紹介するので、チェックしてみてください。 もともと大規模な金融緩和は、高インフレを起こす可能性が高いことで警戒されていた。ところがすでに先進国はデフレ体質になっており、いくら緩和をしてもインフレにならない。だから日本など他国もどんどんアメリカに追随してきた。 マネーボイス受信はこちらから, 日経平均29年ぶり高値に乗るべき?春のコロナショックを的中させたチャート分析の警告, 楽天が5G産業スパイ疑惑とクレカ改悪で大炎上。声明矛盾に総ツッコミ、英語で全世界に釈明会見待ったなしか, ビットコインが乱高下するワケ。投機筋が大量参入、個人がカモられる危険な時間帯に=今市太郎, 今後のマーケット動向はどうなる?無料で使える株式投資のプロ直伝「厳選推奨銘柄」とは, コロナ不況を読み解くには?株式投資のプロが選んだ「厳選推奨銘柄」を無料で利用する方法, なぜトヨタは電気自動車を作らない?2030年ガソリン車販売禁止に焦らぬ訳=栫井駿介, Pornhubアダルト動画大量削除で事実上終焉、国別アクセス数2位の日本で悲鳴続々, 2021年、株価は2度死ぬ?それでも終わらぬ株ブームで日経平均3万円へ=藤井まり子, コロナ第2波で投資チャンス再来!? 一般に需要量に比べて供給量が減った物は価値が上昇します。. デフレというのは物価が上昇する(お金の価値が下がる)インフレの反対で、物価が下落する(お金の価値が上昇する)状態をいいます。. 定の狭い範囲に維持するためには,金融政策によって,予想インフレ率を一定 の狭い範囲に維持することが不可欠であることを示している。 岩田規久男:なぜ,日本銀行の金融政策ではデフレから脱却でき … ★今回の記事「大規模金融緩和の行く末-インフレの前にあるドル安シナリオ-」のオンライン解説を、8月22日(土)17:00~17:30に行います(参加費無料)。お申込みはこちらから!(マネーブレインWebサイト) 日米欧の中央銀行は、消費者… 2.慢性的なデフレと「量的・質的金融緩和」 (1)自然利子率の低下と慢性的なデフレ それでは、日本のデフレの経験から話を始めます。日本では、1990年代初 に大規模な資産バブルが崩壊し、その後、経済が大幅に減速するとともにイ ンフレ率がじりじりと低下しました。1990 総合金融情報メールマガジン。
このための手段として有効なのがインフレターゲットという政策枠組みで、たんなる量的緩和ではなく、インフレターゲットつきの量的緩和が必要となるわけです。 そしてデフレ予想が根深い状況の下での金融緩和策の効果は、昭和恐慌や大恐慌の経験に照らすと以下のようなものとなると考� ―大規模な金融緩和であしもとの景気が刺激されると、政府や企業の構造改革や成長戦略は進みますか。それとも遅れると思いますか。 「デフレのときに生産性の向上はできない。設備投資は、国内市場が縮小するデフレ期にはやらないものだからだ。 お金の供給量を増やすにはいくつか方法がありますが、金融緩和はその一つです。.