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仕事に不満はないものの、初めて経験する「お局サン」(2名/営業)攻撃に困り果てています。私の出で立ちが少し目立っているのか、何かと標的にされてきましたが、ここで波風立てるのは大人げないので、笑顔と低姿勢で華麗にスルーしています。しかし、嫌がらせが通じないとわかると、今度は無視という手段に…。そのため人生初の孤立状態に陥っております。
ほかの社員とはコミュニケーションがとれているのですが、正直、この状況では仕事がやりづらくて仕方ないです。幸い、「ウチへ来ないか」という話もあるので転職も考えていますが、こちらが編集、あちらが営業という関係なので、当分は「お局サン」と付き合っていかなければなりません。うまく付き合っていくコツを教えてください!(33歳/そば子)
『正しいブスのほめ方』
トキオ・ナレッジ
(2014年/宝島社)
自分を認めてくれる人間に
怒りを持つ人はいない
お局さんは、なぜあなたに嫌がらせをしてきたり無視をしたりするのか。その理由はなんだろうね?ご自分では「出で立ちが目立っているから?」と分析されているけど、おそらく原因はそこにはない。理由はふたつ考えられる。ひとつは、お局さんの側に問題がある場合。
お局さん──つぼ子は自ら望んで営業職に就いた。自分では頑張って仕事をし、それなりの結果を出していると思っている。けれど、なぜか会社では自分を高く評価してくれない…。
一方、たまに顔を出す編集部を見ると、なんだかやけにハツラツとして働いてる女性がいる。それがあなた──そば子さんだ。自信にあふれ、仕事に生き甲斐を感じている(ように見える)そば子が妬ましくて仕方がない。気のせいか上司からのウケもいいようだ。悔しい。キーっ!
つぼ子の攻撃の原因が承認欲求から来るものならば、あなたがするべきは「つぼ子の存在を認めてあげる」ことだ。
ここに『正しいブスのほめ方』という本がある。ミもフタもないタイトルではあるが、読んでみるとけっこう役に立ちそうなことが書いてある。たとえばミッション5-6「説教好きの正しいほめ方」なら、こんな具合いだ。
説教好きがよくきっかけに使ってくる「わからないんだったら聞けよ。なんで聞かねぇんだよ」があります(聞いたら聞いたで「こんなこくらい、いちいち聞いてくるなよ」と言われるのですが)。この時、「聞いたらまた怒られると思いまして」と言ってしまいがちですが、この気弱な態度、ネガティブなところが、あなたがターゲットにされる理由でもあり、説教スタートのきっかけでもあるのです。
ここで「すいません、1人でできれば○○さんに認めてもらえると思って……」と、ポジティブに、そして相手を尊敬している感が出るような返事にしてみましょう。相手は思ってもない返事に調子が狂うはず。そこでさらに「○○さんに聞くと聞かないでは全然違う」「早く○○さんのようになりたい」と、たたみかけましょう。ほめてくる人を怒り続ける人はそうそういません。
(P293より)
少々やりすぎの感はあるが、自分が相手の理解者であることを伝えるのは重要だ。部署は違っても、この手は使えると思うよ。
ところで、表題になっている「正しいブスのほめ方」にはどんな方法があるかというと、こうだ。
「どこか外国の血、入ってる?」
(P16より)
周りを敵に回して奮起するか?
味方を増やして生き抜くか?
お局のつぼ子が抱えているかもしれないもうひとつの理由。それは、彼女がいまの配置(職種)に満足していないという可能性だ。もしかしたら、つぼ子は、本当は編集をやりたかったのかもしれない。だから、編集の現場で頑張っているそば子さんが羨ましいのだ。
『カリスマホストたちの帝王学』
じゅん!?ぺい著、鮎川 優監修
(2002年/ミリオン出版)
水商売はもともと付き合いを大事にする傾向がある。それは人と人のコミュニケーションという欲を売っている業種だからというのもそうだが、地域社会であり、噂社会であることに対する情報収集とリスク回避をするためというのが本音だろう。
特にホストは狩猟民族的な感覚が必要なのにも関わらず、どこか日本人にありがちな集団的仲間意識も欲求している。そんなことから、ホストは横のつながりを大事にしているのだ。
オレは自分流を貫いたことによる弊害として、先輩ホストからは嫌われた。それこそ入店当時はオーナー以外は、すべて敵に回してしまったわけだ。でも、結果がすべての競争社会だったから、出る杭は打たれずに済んだ。この業界ならでは、といったところだ。百人に好かれる自分より、わかてくれる10人に好かれればいい。
(P177より)
この方は先輩から嫌われ、そのかわりに後輩たちを可愛がることで味方を増やし、立場を逆転させていったという。そば子さんも、後輩を大切にするのは当然のこととして、自分を攻撃してくる先輩すらも味方に転じることができたら、かなり仕事がやりやすくなるだろうね。
たとえば、つぼ子が何か言ってきたら、巧妙に誘導して、逆に相手の話を聞き出す。営業職ならではの情報を持っているはずなので、たとえば書店さんの話なんかを引き出し、ちょっと大袈裟に感心してみせたらいいんじゃないだろうか。
最後に、もうひとつ鮎川さんの言葉を挙げておく。
人のタイプは二つある。ひとつは、周りを敵に回しても、とにかく開拓精神が旺盛で、苦境に立たされて奮起するタイプ。もうひとつは、ある程度の才能を持つ人間やブランド力を味方にして、生き抜くタイプだ。
(P179より)
さて、そば子さんはどちらのタイプだろうか?
悩み事があったらどんどん聞いてください。
本は"人生の知恵と経験"が詰まった宝庫だから、
なにかしらの回答が引き出せると思います!
お悩み相談はこちらまで!→ navibura@fusansha.co.jp
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